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アカンテ役:ウォーカー・ベントル・ボアテング

アデー役のエリーシャが所属する「ナザレス・クルー」のメンバー。彼もまた音楽を作っている。 ガーナのほとんどのアクションスターと同じく、カンフーを学んだのはジャッキー・チェンとジェット・リーの映画から。エリーシャの後輩だが、最近は彼よりも人気が出てきたため、二人の関係はどうもギクシャクしているらしい……。しかし、それでも彼らは今も、同じ家で共同生活を送っている。

ビッグ・ブラック・ガール役:アマンダ・アチアー

アクションの女王として知られ、ガーナで一番の女性スター。数え切れないほどのクマウッド映画に出演し、ガーナでは上流階級。しかし、とても謙虚でわがままな行動をしないため、ファンや共演者、スタッフから愛されている。『アフリカン・カンフー・ナチス』の撮影で最も印象的な出来事のひとつは、彼女が兄弟の結婚式にスタッフと、映画の衣装を着たキャスト全員を招待してくれたこと。ガーナの民族衣装・ケンテを着た地元の首長の隣でヒトラーと東條が踊る姿は、まさに異次元の光景だった。

影蛇拳の師匠役:アンドリュース・メンサー

4月16日、クマシ生まれ。外を歩けば必ずファンに声をかけられるほどのガーナで一番ビッグなアクションスター。実際に最近“ガーナ最大のアクションスター賞”を受賞している。元々はボクサーだったが、ニンジャマンに見出されて映画『B-14』の主演に抜擢。この映画で「モータル・コンバット」のスコーピオンのように手から何かを発射したため、愛称は“スコーピオン”に。間違いなく本作で一番のスター俳優だが、最も謙虚でクールな男でもあり、いつも一番に現場入りして、他のスタッフを手伝う姿が目撃されている。撮影後の2020年、自宅で強盗から銃撃され致命的な怪我を負うも、勇敢に家族を守りきる。まさに実生活でもヒーローである。現在は完全に回復。

エヴァ役:ンケチ・チネドゥ

本作の撮影のためにはるばるナイジェリアからやってきて、現在はほとんどの時間をガーナで過ごす。プロデューサーマンのTVシリーズ「Trust No Girl」のレギュラー出演者でもある。現場ではテイラー(ゲーリング)に次ぐわがままで、辛いものを食べたあと、セバスチャンの顔に向かってゲップを吹きかけるのが楽しかったらしく、撮影後もずっとそれを繰り返す。みんなに迷惑をかけたが、それでも本当はとても親切で心優しい女性。

ゲーリング役:マルスエル・ホッペ

これまでに出演したクマウッド映画は200本以上。一貫して悪役を演じてきたため、ガーナの田舎で彼を見た人々は「殺人者が来た!」と叫びながら逃げ出すという。ニックネームは“テイラー”。その名の通り実際にプロの仕立屋で、ゲーリングの衣装も自らデザインして仕立てた腕前の持ち主。また、本家ゲーリング同様に、現場で一番のわがままで、食べ物やホテルの部屋、スタッフについてなど常に文句を言い、ひどいときには自分の撮影シーンに姿を見せないこともたびたび。みんな彼に怯えているように見えたが、実はとてもナイスガイ。

東條英機役:秋元義人

1978年9月13日、東京生まれ。90年代、スケートパンクカルチャーの中で育つ。好きなバンドは「ランシド」と「ゴールドフィンガー」。数年前に便利屋の会社を設立し、引っ越しサービスから、遺品整理、特殊清掃、そして俳優業まで、頼まれたことは何でも行っている。セバスチャン企画の異業種格闘技大会『VICE VS』にパンク代表として出演。言うまでもなく格闘技経験はなく、出場の準備といえば、バッティングセンターに通ったのと、ビールを飲むことくらい。結果、ラッパー代表に1ラウンドKO負け。それ以来、セバスチャンと友人関係が続き、現在は彼の作品を頻繁に手伝っている。酒、喧嘩、スケートが趣味で最近は町田の酒場でよく暴れているそうだが、実は敬虔なクリスチャン。ウサギのリルちゃんも飼っている。

アデー 役:エリーシャ・オキエレ

アーティスト名は、ジャック・アニーデン。クマシ生まれで、ニンジャマン映画の常連キャスト。ガーナ史上最高額の宝くじ約25万ドルを当てたデレックス・ノドが率いる「ナザレス・クルー」のメンバー。このユニットは、『Genesis of the Ashantis』(20)などの素晴らしい映画や音楽を制作しており、実際にDJアドルフのシーンなど『アフリカン・カンフー・ナチス』で使用された楽曲のいくつかは、エリーシャが演奏している。パンデミックにより、ガーナでは現在ほとんどの映画制作が休止されているため、今は主に音楽活動に集中。

製作:プロデューサーマン(ダニエル・アカンテ)

1993年12月25日、クマシ生まれ。ガーナ最年少のプロデューサーとして広く知られる。テレビシリーズ「Trust No Girl」で知名度を上げたが、同シリーズには『アフリカン・カンフー・ナチス』の出演者も多く参加している。自分では否定しているが大の女性好きで、熱狂的なアドンコの愛飲家でもある。そのため撮影現場に差し入れられたアドンコのほとんどを飲み、定期的に暴れることに……。コロナ禍によってクマシの映画ビジネスは大幅に縮小したため、現在はタクシー運転手の仕事で生計を立てているが、驚くべきことに『アフリカン・カンフー・ナチス』撮影中に爆発した車をタクシーとして使用している。

監督:ニンジャマン(サミュエル・クワシ・ンカンサー)

1981年7月21日、クマシ生まれ。クマウッドで最も尊敬される監督の一人。ガーナのアニメーションとアクション映画のパイオニアであり、さまざまなクマウッドの映画賞を獲得。監督作に『Devil May Cry』(12)、『B-14』(12)、『IP Man GH - We own this City』(13)などがある。最大のヒットは、アメリカの人気テレビ番組「コナン・オブライエン・ショー」でも取り上げられた映画『2016』。ニックネームのニンジャマンは、彼のカンフーのスキルに由来。本人によれば最初は“スーパーニンジャ”と呼ばれていたが、“スーパー”はすぐに誰も言わなくなったとのこと。信仰深く、地元のペンテコステ派教会に所属しているが、女性好きでもある。コロナ禍以降は、自身のYouTubeチャンネル「GH Entertainment1」の活動に集中。着実にチャンネルの人気を高めている。

監督・脚本・出演:セバスチャン・スタイン

ドイツのミュンヘンから約40km離れたワイアルンという小さな村で育つ。幼い頃から、古いカンフー映画(特にショウ・ブラザーズ)に魅了され、18歳まで洪家拳と蔡李佛拳を習う。高校時代はパンク、サイコビリー、ロカビリーなどのサブカルチャーに傾倒。ミュンヘンの大学でメディアマネジメントを学び、2004年からはニュージーランドへ拠点を移し、テレビCM制作会社で勤務。その間、多くの日本人バックパッカーと友達になり、「ドイツでは永遠に変人扱いされるのがわかりきっているが、日本では何もかもがそもそも違うので、少なくとも誰も私に対して普通を求めない」と日本に行くことを決意。2005年、知っている日本語は3語ほど、ポケットには数百ドルという状態で、東京へワーキングホリデーに。友人や家族たちは、2~3カ月でミュンヘンに戻ってくると思っていたが、2021年現在いまだに東京在住。最初の勤務先は、テレビ制作会社「インターテレメディア」。その後、フリーランスになり、ブルームバーグ、MTV、WDR(ドイツ)、Raiなど、様々な企業と仕事をする。2011年に初の長編ドキュメンタリー『Twilight of the Yakuza』を制作。それ以来、日本のアンダーグラウンドシーンとヤクザに特化するようになり、それを機にVICE Japanで長く活躍。そして2018年、ひどい二日酔いで目覚めたときに、ふと「アフリカに行きたい」と思いつき、それを実行するための言い訳として『アフリカン・カンフー・ナチス』のプロットを考えるように。カンフー映画、バッド・スペンサー、ランディ・サベージ、そして歴史への愛情を混ぜ込み、わずか2日で脚本を完成。2021年現在、把握している範囲では『アフリカン・カンフー・ナチス』は、ドイツ語に吹き替えられた初のガーナ映画である。