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総移動距離1万2千キロ、4つの国境を越え、50人以上のブローカーが協力「楽園」と信じた場所を離れ、家族は決死の脱北を試みる―

『ビヨンド・ユートピア 脱北』

監督:マドレーヌ・ギャヴィン 『シティ・オブ・ジョイ~世界を変える真実の声~』製作:ジャナ・エデルバウム『大いなる遺産』、レイチェル・コーエン『ダンシング・ハバナ』、スー・ミ・テリー(元CIA)原題:Beyond Utopia/2023年/アメリカ/英語・韓国語ほか/115分/ビスタ/カラー/5.1ch/字幕監修:西岡省二/配給:トランスフォーマー

死と隣り合わせの旅にカメラが密着、奇跡のドキュメンタリー!
2023年 サンダンス映画祭ドキュメンタリー部門<観客賞>受賞!2023年 シドニー映画祭 最優秀国際ドキュメンタリー映画賞 2023年 アスペン映画祭 <観客賞>受賞 2023年 ウッドストック映画祭 最優秀ドキュメンタリー賞 最優秀ドキュメント編集賞 W受賞

2024年1月12日(金)TOHOシネマズ シャンテ、シネ・リーブル池袋ほか全国公開
第96回アカデミー賞<長編ドキュメンタリー賞>ショートリスト選出

ムビチケ
解説 | INTRODUCTION
  • 世界で最も閉ざされた国のひとつ・北朝鮮
    2023年サンダンス映画祭にて開催直前までシークレット作品として詳細を伏せられてきた1本のドキュメンタリーが、世界中から集った映画ファンや評論家、映画関係者達を震撼させた。それが北朝鮮脱北者の過酷な旅の実態が生々しく記録された恐るべき、そして映像的にも非常に貴重な作品『ビヨンド・ユートピア 脱北』である。
    1949年9月の建国以来、70年以上にわたり北朝鮮社会を支配してきた金日成の一族は、国家を閉鎖された状態に保ってきた。北朝鮮に住む人々はそこが「地上の楽園」だと信じ、最高指導者である金一族を神と同等の存在として敬い慕う。しかし、一糸乱れぬ壮大なマス・ゲームや、華々しい軍事パレードの裏側で、ナチスのアウシュビッツやソ連のグラーグを模した強制収容所の存在、密告や拷問、処刑、飢えや貧困といったおぞましい人権侵害の数々が報告されている。
  • 総移動距離1万2千キロメートル、4つの国境を越え、50人以上のブローカーが協力する決死の脱出作戦
    この映画の中心となるのは、祖国北朝鮮を離れいくつもの国境や川、険しい山岳地帯を超えて危険な旅に乗り出す2人の幼い子どもと80代の老婆を含む5人の家族、国に残して来た子どもとの再会を切望する母親、そして、自由を求める彼らを強い使命感をもって支援する人々だ。
    実に50人以上のブローカーが協力し、脱北ののち中国、ベトナム、ラオス、タイの4カ国を経由し最終目的地である韓国を目指す、総移動距離1万2千キロメートルの決死の脱出作戦が展開される。再現シーンは一切なく、撮影は制作陣のほか地下ネットワークの人々によって行われ、一部の詳細は関係者の安全のために伏せられている。スマートフォンや折りたたみ式携帯電話で撮影された映像は生々しく、いつどんな形で生死の分かれ目が訪れてもおかしくない、これ以上ないほどのスリルと危険に満ちている。
  • 本年度ベスト・ドキュメンタリーの呼び声が高い“今観るべき”傑作!
    本作を手掛けたのは、戦争で荒廃したコンゴで性暴力を受けた女性達を保護するために設立された団体「シティ・オブ・ジョイ」の活動を追ったNetflixドキュメンタリー『シティ・オブ・ジョイ~世界を変える真実の声~』にて高い評価を得たマドレーヌ・ギャヴィン監督。また多数の著作を持ち、世界に北朝鮮の実体と祖国への想いを伝え続けるイ・ヒョンソを始め、数多くの脱北者やその支援者達が登場する。
    楽園と信じた場所から人々はどのような想いで、外の世界に逃れていくのだろうか。そこには恐怖や憎しみと同時に祖国への郷愁や愛情も存在する。本作を観れば、難民となり生きる場所を探して必死に荒野をさまよいながらも、家族や友人を労る北朝鮮の人々の素顔が我々と全く変わらないことに気が付くだろう。
    自由とは何か、楽園はどこにあるのか――深く心に訴え、観る者に強く問いかける本作は、サンダンス映画祭で圧倒的な支持を得てUSドキュメンタリー部門の観客賞を受賞。現時点(10/31)における全米批評家サイトRottenTomatoesのメーターは100%という高評価を記録しており、各映画メディアや評論家の間では2023年のベスト・ドキュメンタリーの呼び声高い作品だ。
世界で最も閉ざされた国のひとつ・北朝鮮
2023年サンダンス映画祭にて開催直前までシークレット作品として詳細を伏せられてきた1本のドキュメンタリーが、世界中から集った映画ファンや評論家、映画関係者達を震撼させた。それが北朝鮮脱北者の過酷な旅の実態が生々しく記録された恐るべき、そして映像的にも非常に貴重な作品『ビヨンド・ユートピア 脱北』である。
1949年9月の建国以来、70年以上にわたり北朝鮮社会を支配してきた金日成の一族は、国家を閉鎖された状態に保ってきた。北朝鮮に住む人々はそこが「地上の楽園」だと信じ、最高指導者である金一族を神と同等の存在として敬い慕う。しかし、一糸乱れぬ壮大なマス・ゲームや、華々しい軍事パレードの裏側で、ナチスのアウシュビッツやソ連のグラーグを模した強制収容所の存在、密告や拷問、処刑、飢えや貧困といったおぞましい人権侵害の数々が報告されている。
総移動距離1万2千キロメートル、4つの国境を越え、50人以上のブローカーが協力する決死の脱出作戦
この映画の中心となるのは、祖国北朝鮮を離れいくつもの国境や川、険しい山岳地帯を超えて危険な旅に乗り出す2人の幼い子どもと80代の老婆を含む5人の家族、国に残して来た子どもとの再会を切望する母親、そして、自由を求める彼らを強い使命感をもって支援する人々だ。
実に50人以上のブローカーが協力し、脱北ののち中国、ベトナム、ラオス、タイの4カ国を経由し最終目的地である韓国を目指す、総移動距離1万2千キロメートルの決死の脱出作戦が展開される。再現シーンは一切なく、撮影は制作陣のほか地下ネットワークの人々によって行われ、一部の詳細は関係者の安全のために伏せられている。スマートフォンや折りたたみ式携帯電話で撮影された映像は生々しく、いつどんな形で生死の分かれ目が訪れてもおかしくない、これ以上ないほどのスリルと危険に満ちている。
本年度ベスト・ドキュメンタリーの呼び声が高い“今観るべき”傑作!
本作を手掛けたのは、戦争で荒廃したコンゴで性暴力を受けた女性達を保護するために設立された団体「シティ・オブ・ジョイ」の活動を追ったNetflixドキュメンタリー『シティ・オブ・ジョイ~世界を変える真実の声~』にて高い評価を得たマドレーヌ・ギャヴィン監督。また多数の著作を持ち、世界に北朝鮮の実体と祖国への想いを伝え続けるイ・ヒョンソを始め、数多くの脱北者やその支援者達が登場する。
楽園と信じた場所から人々はどのような想いで、外の世界に逃れていくのだろうか。そこには恐怖や憎しみと同時に祖国への郷愁や愛情も存在する。本作を観れば、難民となり生きる場所を探して必死に荒野をさまよいながらも、家族や友人を労る北朝鮮の人々の素顔が我々と全く変わらないことに気が付くだろう。
自由とは何か、楽園はどこにあるのか――深く心に訴え、観る者に強く問いかける本作は、サンダンス映画祭で圧倒的な支持を得てUSドキュメンタリー部門の観客賞を受賞。現時点(10/31)における全米批評家サイトRottenTomatoesのメーターは100%という高評価を記録しており、各映画メディアや評論家の間では2023年のベスト・ドキュメンタリーの呼び声高い作品だ。
物語 | STORY
1000人以上の脱北者を手助けしたキム牧師に寄せられた緊急のSOS。幼い子供2人と80代の老婆を含めた5人家族の脱出ミッションがはじまる―
1000人以上の脱北者を手助けしたキム牧師に寄せられた緊急のSOS。幼い子供2人と80代の老婆を含めた5人家族の脱出ミッションがはじまる―
韓国で脱北者を支援するキム・ソンウン牧師の携帯電話には、日々何件もの連絡が入る。これまでに1000人以上の脱北者を手助けしてきた彼が直面する緊急のミッションは、北朝鮮から中国へ渡り、山間部で路頭に迷うロ一家の脱北だ。幼い子ども2人と80代の老婆を含めた5人もの人たちを一度に脱北させることはとてつもない危険と困難を伴う。キム牧師の指揮の下、各地に身を潜める50人ものブローカーが連携し、中国、ベトナム、ラオス、タイを経由して亡命先の韓国を目指す決死の脱出作戦が行われる――。
レビュー | REVIEW


この映画によって語られる人々の存在は奇跡である
IndieWire
決して訪れることのできない場所から見た、
これまでに見たことのないドキュメンタリー。
勇気とルポルタージュが映画化されたスペシャルな作品だ
Screendaily
手に汗握る緊迫のドキュメンタリー
Screen International
世界と共有する価値のある、
知られざる英雄の物語
United Press International
驚くべきシネマ・ヴェリテスタイル
Harper's BAZAAR
すべての人にとって興味深い物語であると同時に、
強大な国で何が起こっているかについての歴史的文書だ
RogerEbert.com
『Beyond Utopia』で最も信じられないのは、
本作がスリラー映画ではなくドキュメンタリーだということだ。
驚異的な成果であり、
計り知れない勇気とスキルが必要な
一種のノンフィクション・プロジェクトだ
The Playlist
誰もが見なければならない
重要かつ緊急の題材を扱った作品であり、
非人道的な政府の中で生きてきた人々の回復を描いた物語だ
Geeks of color
抑圧された人々は自分の人生を取り戻すために、
一体どれだけの努力をしなければならいのか。
私たちの多くが当然だと思っていることはそうではない。
『Beyond Utopia』は、
最近の記憶にあるどの映画よりも
強烈にそのことを思い出させてくれる。
Next Best Picture
スタッフ | STAFF
監督・編集
マドレーヌ・ギャヴィン
サンダンス、トロント、ベルリン、カンヌなどでプレミア上映された、受賞歴のある劇映画やドキュメンタリー映画の編集を手掛け、コンゴ民主共和国東部の革命の中心地についてのNetflixドキュメンタリー『シティ・オブ・ジョイ~世界を変える真実の声~』では監督・編集を務める。 また、コロンビア大学芸術学部の映画学校で教鞭をとり、映画芸術科学アカデミーの会員でもある。
プロデューサー
ジャナ・エデルバウム
ブラウン大学を卒業後、映画業界に進む前はロンドンで投資銀行家として数年間働いていた。これまでに手掛けた作品は『チェイシング/追跡』(09)、『大いなる遺産』(12) やDisney+で配信され高く評価されたイディナ・メンゼルのコンサート・ドキュメンタリー映画『イディナ・メンゼル:マディソン・スクエア・ガーデンまでの道のり』(22)などがある。2006 年にフィクションとドキュメンタリーの長編映画、テレビプロジェクトを開発、制作する制作会社アイディアル・パートナーズを設立。バリー・ジェンキンスが監督する予定の振付師アルビン・エイリーの伝記映画などが控えている。
プロデューサー
レイチェル・コーエン
ニューヨークを拠点とする独立系映画プロデューサー。Artisan Entertainmentに勤務していた時に、『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』(99)の買付を行った。 2007 年からアイディアル・パートナーズの制作責任者を務めている。これまでにプロデュースした作品は『イディナ・メンゼル:マディソン・スクエア・ガーデンまでの道のり』(22)や『House of Z(原題)』(17)など。バリー・ジェンキンス監督の新作にジャナ・エデルバウムと共に携わる予定だ。
プロデューサー
スー・ミ・テリー
元CIA分析官、元戦略国際問題研究所 (CSIS) の韓国上級研究員などを経て政策研究機関「ウィルソン・センター」の朝鮮史・公共政策センター長を務めた経歴を持つ。CIAでは韓国問題の上級分析官を務め (01~08 )、そこで数百件の諜報評価を作成した。 2008 年から 2009 年にかけては、ジョージ・W・ブッシュとバラク・オバマの下で国家安全保障会議の韓国、日本、海洋担当局長を務め、韓国と日本に対する米国政府の政策を策定、調整、実施した。 2009 年から 2010 年までは、国家情報会議で東アジア担当国家情報副官を務めた。その後は戦略国際問題研究所やコロンビア大学ウェザーヘッド東アジア研究所で上級研究員を経験するなどして、現在も北朝鮮、韓国、日本が関与する国際政治の専門家として活躍している。
アニメーション
岩﨑宏俊
1981年茨城県生まれ。2019年東京藝術大学大学院美術研究科先端芸術表現領域博士後期課程を修了。博士(美術)。ロトスコープを用いたアニメーション作品を中心にこれまで多数の展覧会や映画祭に参加するなど美術と映画の領域を越境して作品発表を行う他、コミッションワークも多数手がけ、THE ONE SHOW、NYADCなどでも賞を受賞。また、2022年より新千歳空港国際アニメーション映画祭のプログラミングチームの一員としても活動している。