1979年生まれ。フランスの映画監督、脚本家。
ソルボンヌ大学で歴史と視覚社会学を学んだ後、ドキュメンタリー映画作家としてキャリアをスタート。短編・中編映画が複数の映画祭で入選・受賞し、2016年の『Vers la Tendresse』はフランスのセザール賞で最優秀短編映画賞に選ばれた。2021年の長編ドキュメンタリー『私たち』は、同年のベルリン国際映画祭で最優秀ドキュメンタリー賞とエンカウンターズ部門最優秀作品賞を受賞。本作が長編劇映画デビュー作となり、2022年ヴェネチア国際映画祭で銀獅子賞(審査員大賞)と新人監督賞に輝いた。
STAFF
共同脚本・編集
アムリタ・ダヴィッド
Amrita DAVID
2000年から編集者として活動し、アリス・ディオップ監督作品は2016年の『Vers la Tendresse』、『La Permanence』、2021年の『私たち』で編集を手掛けている。編集以外にも重要な制作パートナーとして、ディオップ作品に貢献しており、本作で初めて共同脚本にクレジットされた。本作ではセザール賞やリュミエール賞など数々の映画賞で脚本賞にノミネート。セビリア国際映画祭ではアリス・ディオップ、マリー・ンディアイとともに脚本賞を受賞している。
共同脚本
マリー・ンディアイ
Marie NDIAYE
1967年、フランスのロワレ県ピティヴィエに生まれる。現代フランス文学の最重要人物の一人と称される小説家。母はフランス人、父はセネガル人。セネガルに帰国した父と離れ、フランスで育つ。17歳で処女長編小説「Quant au riche avenir」を発表。2001年には長編「ロジー・カルプ」でフェミナ賞を、2009年には「三人の逞しい女」でゴンクール賞を受賞。2020年には、アニー・エルノー、ジャン・エシェノズ、パスカル・キニャールに続いて、作家を表彰するマルグリット・ユルスナール賞も受賞。カサヴェテスを愛する映画ファンとしても知られ、クレール・ドゥニ監督の『ホワイト・マテリアル』(2008)で初めて映画脚本を手掛ける。本作ではセザール賞やリュミエール賞など数々の映画賞で脚本賞にノミネートされ、セビリア国際映画祭ではアリス・ディオップ、アムリタ・ダヴィッドとともに脚本賞を受賞。
主な小説(日本語訳書があるもののみ) 訳者/出版社を表記
2006
「みんな友だち」笠間直穂子訳、インスクリプト
2008
「心ふさがれて」笠間直穂子訳、インスクリプト
2008
「ねがいごと」笠間直穂子訳、駿河台出版社
2010
「ロジー・カルプ」小野正嗣訳、早川書房
2012
「三人の逞しい女」小野正嗣訳、早川書房
2013
「パパも食べなきゃ」根岸徹郎訳、れんが書房新社
撮影
クレール・マトン
Claire MATHON
1975年生まれ。パリ国立高等学校ルイ・リュミエールで映画を学ぶ。2013年にアラン・ギロディー監督の『湖の見知らぬ男』(L'inconnu du lac/東京国際映画祭上映のみ)でセザール賞撮影賞ノミネート。2019年にはカンヌ国際映画祭グランプリ受賞となったNetflix映画『アトランティックス』でロサンゼルス映画批評家協会賞撮影賞を受賞。同年、セリーヌ・シアマ監督の『燃ゆる女の肖像』でセザール賞最優秀撮影賞をはじめ、数々の撮影賞を受賞する。シアマ監督の『秘密の森の、その向こう』(2021)も手掛けている。他の作品にカトリーヌ・コルシニ監督の『黒いスーツを着た男』(2012)、マイウェン監督の『モン・ロワ愛を巡るそれぞれの理由』(2015)、ピエール・ゴドー監督の『今さら言えない小さな秘密』(2018)、パブロ・ラライン監督の『スペンサー ダイアナの決意』(2021)など。