劇場公開作|TRANSFORMER

ROCKERS[完全版]

2008年10月25日公開

教科書を破り捨てろ!
日本のロック・シーンを震撼させた伝説のムーヴメント“東京ロッカーズ”の全貌に迫る奇跡のドキュメンタリー!

RCサクセション、BOφWY、ラフィン・ノーズなどのライブビデオやPVを制作、日本のロック・シーンを撮り続けた津島秀明。ミュージックビデオのプロデューサーとして日本の第一人者である津島監督が、もはや伝説となったムーヴメント“東京ロッカーズ”を中心としたバンドのギグを記録したドキュメンタリー『ROCKERS』。94年、津島監督は急逝。それまで行方不明とされていたフィルムが発見された。撮影と編集は、カメラマンとして活躍し、佐野元春のツアーを中心とした映画『NO DAMAGE』を監督、『Y.M.O.PROPAGANDA』の撮影で知られる井出情児。冒頭のアニメーションは、後年JAGATARAなどのジャケットを担当したイラストレーター、ザッパ・フリークの八木康夫。89年に発売されたビデオには、ストラングラーズの出演シーンがカットされたが、今回は本人らの承諾を得て、その演奏シーンを含む[完全版]として30年を経て甦る!!

STORY|ストーリー
1978年、失速した日本のロック・シーンを自らの手で打破するためにミュージシャンたちが集結した。FRICTION、LIZARD、Mr.KITE、MIRRORS、S-KEN…。S-KEN STUDIO、下北沢ロフトをはじめ日本各地でギグを繰り返したそのムーヴメントは、“東京ロッカーズ”と呼ばれ衝撃を与えた。それから30年あまりが過ぎ、“東京ロッカーズ”は伝説となったが、今なおその衝撃は色あせない。映画は、“東京ロッカーズ”のギグを中心に、同じ時期を疾走したPAIN、SPEED、SS、自殺、81/2といったバンドや、来日したストラングラーズのスタジオ・ライブを見つめる。恒松正敏は身を捩るようにレスポールをかきむしり、タクシードライバーであるPAINのギタリスト入村は車中でインタビューを受ける…。FRICTIONのレックは言う。「東京は、いっぱいエネルギーを吸っているんだけど、外に向かって発射していないんだよ。俺は発射させようと思ってる」。政治の季節は終焉し、物質的に生活を豊かにすることに邁進した70年代の後半。肥大し続ける都市“東京”。ロックは急速に商業化していた。LIZARDのモモヨは、「俺が生きているのはだいたい下町だし、そういう所には、心を持っていない機械みたいな人間がいっぱいいる。そういう人たちの多くは悲惨な生活をしてるし、時間に追われている」と言い、SPEEDのケンゴは、「(海外のパンクの)レコードは割ってくれ」「ここ(東京)に足を着いているんだという事さえね、認識すれば」と苛立ちを隠さない。
モモヨは、“今”を記録するために“歌っている”と言う。われわれの生活は、「こういうロボットみたいな生活なんだ」と。インタビューは問う。「なんでこういう金にならない音楽やってんの?」と。MIRRORSのヒゴは、その問いに答える。「ただ流されるだけで終わってしまうから」。インタビュアーは問う。「誰に君の音楽を聞かせたい?」と。モモヨは答える。「俺なんかが住んでる近所の、要するにアナタとかボクとかよりは、もっと悲惨な生活をしている人たち。それと子どもたち。ロックンロールっていうのはガキとかさ、そういう奴らのモンでしょ」。彼らは、歌ったのだ。ロックンロールをわれわれの手に、ガキたちの手に取り戻すために。そして、今、ロックンロールは誰の手に握られているのだろうか? 冒頭、この映画がクランクインしてからアップするまでの間に報道された“自殺した35人の子供たち”の名前が、次々とクレジットされる。ロックンロールは、彼らのためにあるのだ。
CAST&STAFF|キャスト&スタッフ
製作・監督津島秀明
撮影井出情児ほか
編集井出情児
音声山浦正彦ほか
制作進行柿沢健次郎
タイトル&アニメーション八木康夫
出演FRICTION、LIZARD、Mr.KITE、MIRRORS、PAIN、S-KEN、SPEED、SS、自殺、8 1/2、THE STRANGLERS
INFORMATION|作品情報
ドキュメンタリー作品/1979年/日本/カラー/デジタル上映/72分
配給:トランスフォーマー+スローラーナー
(C) Reiko Tsushima & Magnet Co.,Ltd.

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