劇場公開作|TRANSFORMER

誰のせいでもない

一つの事故。一人の男。三人の女。
巨匠ヴィム・ヴェンダースが描く、サスペンスフルな感情のランドスケープ。

真っ白な雪に包まれたカナダ、モントリオール郊外。田舎道を走る一台の車。突然、丘からソリが滑り落ちて来る。車はブレーキをきしませて止まる。悲劇は避けられたかに思えたが… … 。誰のせいでもない一つの事故が、一人の男と三人の女の人生を変えてしまう。車を運転していた作家のトマス、その恋人サラ、編集者のアン、そしてソリに乗っていた少年の母ケイト。誰のせいでもない。優しく聞こえるその言葉の奥で、彼らの感情は揺れ動く。誰も責められない。誰も憎めない。苦しくて、切ない感情を抱きながら。これは、彼らの12年にわたる物語である。

STORY|ストーリー
冬の夕暮れ。田舎道を走る一台の車。雪が降り、視界は悪い。突然、丘からソリが滑り落ちて来る。車はブレーキをきしませて止まる。静寂。そこには車の前で虚ろに座り込んでいる幼い少年がいた。幸い怪我もないようだ。ほっとしたトマスは彼を家まで送る。しかし、母ケイトは息子の姿を見て半狂乱になる……。
運転していたのは、作家のトマス。この悲劇的な事故は、彼の過失によるものではない。弟にあと少しの注意を払うべきだった小さなクリストファーの責任でも、そしてまた、もっと早く家に帰るように息子たちに言えたはずのケイトの責任でもない。事故はトマスの心に大きな傷を残し、そのせいで恋人サラとの関係は壊れてしまう。トマスにできることは、ただ書き続けることだけ。しかし、他人の悲しみをも含んだ自らの経験を書く権利が、彼にあるのだろうか?ようやく書き上げた小説は、トマスに新しい扉を開かせることになった。

月日が流れ、やがてトマスは作家として成功を収め、編集者のアンとその娘ミナと新しい生活を始めようとしていた。一方、ケイトやサラもまた、それぞれの人生をゆっくりと歩み始め、すべてはうまく行き始めたように見えていた。そんな中、11年前に5歳だったクリストファーから、トマスのもとへ一通の手紙が届く…。
CAST&STAFF|キャスト&スタッフ
監督ヴィム・ヴェンダース
脚本ビョルン・オラフ・ヨハンセン
撮影監督ブノワ・デビエ
音楽アレクサンドル・デスプラ
出演ジェームズ・フランコ / シャルロット・ゲンズブール / レイチェル・マクアダムス / マリ=ジョゼ・クローズ
INFORMATION|作品情報
2015年/ドイツ・カナダ・フランス・スウェーデン・ノルウェー/118分/DCP/原題:Every Thing Will Be Fine
日本語字幕:松浦美奈
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