INTRODUCTION
北欧史上最も物議を醸した連続殺人事件、その裏側に潜む真実とは―?心を突き刺す衝撃のラストが待ち受ける、世界を震撼させた恐るべき傑作!
現代では「幸せの国」として知られるデンマーク。その知られざる暗黒の時代に起こった連続殺人事件をもとに漆黒の映像美で描いた本作は、2024年のカンヌ国際映画祭コンペティション部門で上映されると、予想できないショッキングな展開と心理的恐怖を煽る音響やユニークな美術セットが話題騒然となり、映像のアカデミー賞と呼ばれるカメリマージュ映画祭にて最高賞、ポーランド映画祭では過去最多の11冠を受賞するなど各国の映画祭を席巻し、本年度アカデミー賞®では国際長編映画賞にノミネートされた。監督・脚本を手掛けたのは『波紋』『スウェット』といった鋭い視点の作品で世界的注目を集めるスウェーデン系ポーランド人の若き鬼才マグヌス・フォン・ホーン。音楽アーティスト、プース・マリーとして活躍するフレゼレケ・ホフマイアが奏でる心理的恐怖を演出する不気味な音楽と音響効果は大ヒットを記録した『関心領域』を思わせ、撮影監督ミハウ・ディメク(『EO イーオー』『リアル・ペイン~心の旅~』)が映し出す漆黒の映像美は観客を妖しくも魅力的な闇の世界へと誘う。主演のカロリーネ役を務めたヴィクトーリア・カーメン・ソネは『ビッチ・ホリデイ』で注目され、『ウィンター・ブラザーズ』『ゴッドランド/GODLAND』のフリーヌル・パルマソン監督のミューズとしても知られる実力派。助演は数々の映画賞に輝く名優トリーネ・デュアホルムが務め、二人の熱演は多くの評論家から絶賛された。本当の罪とは何か、怪物は誰なのか?人間の闇と光に迫る、北欧から新たなるゴシック・ミステリーの傑作が誕生する!
STORY
その街では、よく人が消えた―
第一次世界大戦後のコペンハーゲン。
お針子として働くカロリーネは、アパートの家賃が支払えずに困窮していた。
やがて勤め先の工場長と恋に落ちるも、
身分違いの関係は実らず、彼女は捨てられた挙句に失業してしまう。
すでに妊娠していた彼女は、もぐりの養子縁組斡旋所を経営し、
望まれない子どもたちの里親探しを支援する女性ダウマと出会う。
他に頼れる場所がないカロリーネは乳母の役割を引き受け、
二人の間には強い絆が生まれていくが、
やがて彼女は知らず知らずのうちに入り込んでしまった
悪夢のような真実に直面することになる。
STAFF
監督・脚本
マグヌス・フォン・ホーン
スウェーデンのイェーテボリ出身。2009年から13年まで、ポーランドのウィッチ国立映画大学で監督業と脚本執筆を学び、現在は同校で教師も務めている。短編『Without Snow(英題)』(11)でスウェーデンのアカデミー賞と言われるゴールデン・ビートル賞の最優秀短編映画賞を受賞。様々な言語を使うことにこだわりを持つ彼の初監督長編『波紋』(15)はスウェーデン語で制作され、カンヌ国際映画祭の監督週間に出品されて国際的な注目を集めてゴールデン・ビートル賞で作品賞、監督賞、助演俳優賞を受賞した。また、ポーランド語で撮られた長編監督第2作となる心理ドラマ『スウェット』(20)は、第73回カンヌ国際映画祭のオフィシャルセレクションに選出。3作目の『ガール・ウィズ・ニードル』はノルディスク・フィルム・プロダクションによるデンマーク語作品である。
撮影
ミハウ・ディメク
1990年10月1日、ポーランド・ワルシャワ生まれ。ウィッチ国立映画大学にてテレビ制作と撮影について学んだ。短編から長編まで多くの映画の撮影監督を務めており、これまでに『EO イーオー』(22)でロサンゼルス映画批評家協会賞と全米映画批評家協会の最優秀撮影賞を受賞している。その他にも多くの映画賞で評価され、本作では映像のアカデミー賞とも謳われるカメリマージュにて最高賞を受賞した。その他の作品に、マグヌス・フォン・ホーン監督作『スウェット』(20)、ジェシー・アイゼンバーグ監督作『リアル・ペイン~心の旅~』(24)などがある。
美術
ヤグナ・ドベシュ
ポーランドを拠点にプロダクション・デザイナー兼アート・ディレクターとして活躍している。『波紋』(15)、『スウェット』(20)に続きマグヌス・フォン・ホーン監督とは3度目のタッグとなった。本作でグディニャ・ポーランド映画祭をはじめ多くの映画賞で美術賞を受賞。その他の作品に第87回アカデミー賞国際長編映画賞を受賞した『イーダ』(13)、クレール・ドゥニ監督作『ハイ・ライフ』(18)などがある。
編集
アグニェシュカ・グリンスカ
1975年11月30日、ポーランド生まれ。『波紋』(15)、『スウェット』(20)に続きマグヌス・フォン・ホーン監督作品への参加は3度目。ポーランド映画賞の最優秀編集賞に7回ノミネートされており、イエジー・スコリモフスキ監督作『イレブン・ミニッツ』(16)、『EO イーオー』(23)で2回受賞している。『LAMB/ラム』(22)ではアイスランドで最も著名な映画賞であるエッダ賞の最優秀編集賞を受賞。その他の作品にヨーロッパ映画賞最優秀ヨーロッパドキュメンタリー賞を受賞した『祝福~オラとニコデムの家~』(16)やNetflix制作『ヒヤシンスの血』(21)などを手掛けている。
音響
オスカ・スクリーヴァ
1985年11月29日、デンマーク生まれ。デンマーク映画学校を卒業後、サウンドデザイナーとして活躍している。これまでにロバート賞最優秀音響賞に8回ノミネートされており、『ギルティ』(19)と『罪の女王』(20)で2回受賞。『ギルティ』と本作で音響効果監督組合ゴールデン・リール賞にノミネートされている。その他の作品にラース・フォン・トリアー製作総指揮『あなたの腕で抱きしめて』、『ある戦争』(15)、『ぼくの家族と祖国の戦争』(23)などがある。
作曲(音楽)
フレゼレケ・ホフマイア(プース・マリー)
1989年、デンマーク生まれ。コペンハーゲンのアンダーグラウンド音楽シーンでキャリアをスタートしプース・マリーの名義で実験音楽家、作曲家、サウンドアーティストとして活躍している。これまでに短編映画2本と長編映画2本の音楽を手掛け、本作でグディニャ・ポーランド映画祭、ヨーロッパ映画祭の作曲賞を受賞した。
CAST
ヴィクトーリア・カーメン・ソネ| カロリーネ |
1994年4月23日、デンマーク生まれ。2016年、デンマーク国立舞台芸術学校卒業後、フリーヌル・パルマソン監督の『ウィンター・ブラザーズ』(17)にて主演を務め、デンマーク・アカデミー賞(ロバート賞)を受賞。2018年には、サンダンス映画祭でプレミア公開され、審査員大賞にノミネートされたイザベラ・エクロフ監督の『ビッチ・ホリデイ』に主演した。この作品は高く評価され、デンマーク映画批評家協会から贈られるボディル賞とロバート賞において最優秀女優賞を受賞した。2022年には、デンマーク、ノルウェー、日本合作の『MISS OSAKA ミス・オオサカ』で主演を務め、同年、フリーヌル・パルマソン監督と再びタッグを組んだ『ゴッドランド/GODLAND』はアカデミー賞国際長編映画賞のショートリストに選出された。他にはロンニ・サンダールとダニエル・エスピノーサが制作したNetflixのミニシリーズ「ヘリコプター・ハイスト: 舞い降りた略奪者」(24)などがある。
トリーネ・デュアホルム| ダウマ |
1972年4月15日、デンマーク生まれ。国際的に活躍し、数々の受賞歴を誇り今日の北欧で最も高く評価される名女優。1998年、トマス・ヴィンターベア監督のデンマーク映画『セレブレーション』にてカンヌ映画祭審査員賞を受賞。『未来を生きる君たちへ』(10) 『愛さえあれば』(12)の両作品で、それぞれデンマーク・アカデミー賞主演女優賞受賞。2016 年にはトマス・ヴィンターベア監督と再タッグを組んだ『ザ・コミューン』でベルリン映画祭にて主演女優賞を受賞。そのほかの出演作品には、アカデミー賞を受賞したスザンヌ・ビア監督の『未来を生きる君たちへ』(10)、マッツ・ミケルセンと共演した『ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮』(12)、『消えた声が、その名を呼ぶ』(14)、『ピエロがお前を嘲笑う』(14)、シャルロット・ゲンズブールと共演した『THE ALMOND AND THE SEAHORSE』(22)、ティム・ロスと共演したドラマ「POISON」(24)など。現在はD.C.ムーアのドラマシリーズ「メアリー&ジョージ 王の暗殺者」(24)でアン女王を演じている。
ベシーア・セシーリ| ペーター |
1990年7月6日、デンマーク生まれ。2009年、劇団に参加。2010年、初めての劇団作品であるギリシャ悲劇「Elektra」でデビュー。2019年、デンマーク国立舞台芸術学校を卒業し、2021年には、テレビシリーズ「Fredløs」にて、アウトローなモハメッド役を演じ、でデンマーク・アカデミー賞(ロバート賞)を受賞。2024年には人気サスペンスシリーズ「ダークネス:ゾウズ・フー・キル」に出演。
ヨアキム・フェルストロプ| ヤアアン |
1987年9月25日、デンマーク生まれ。2013年、デンマーク国立舞台芸術学校を卒業。2015年にベルリン映画祭でシューティングスター賞を受賞。デンマークの詩人トーヴェ・ディトレウセンを描いた映画『Tove's Room』(23)でデンマーク・アカデミー賞の最優秀助演男優賞にノミネート。他にも、デンマーク・アカデミー賞の最優秀男優賞にノミネートされた『The Blue Orchid』(20)、デンマーク批評家協会の最優秀男優賞にノミネートされたオーレ・クリスチャン・マセン監督の『Itsi Bitsi』(14)などがある。