株式会社トランスフォーマー｜Transformer Inc.

グリーン・ナイト

すべては首切りゲームから始まった。

アーサー王の甥であるサー・ガウェインは、まだ正式な騎士ではなかった。彼には人々に語られる英雄譚もなく、ただ空虚で怠惰な日々を送っていた。 クリスマスの日。アーサー王の宮殿では、円卓を囲んで豪華な祝宴が催されていた。その最中、突如として広間の扉が開き、場違いな一人の騎士が入って来た。まるで全身が草木に包まれたような緑の騎士は、“クリスマスの遊び事(ゲーム)”と称し、恐ろしい首切りゲームを提案する。その挑発に乗ったサー・ガウェインは、緑の騎士の首を一振りで斬り落とすも、彼は転がる首を堂々と自身の手で拾い上げ、「１年後のクリスマスに私を捜し出し、ひざまずいて、私からの一撃を受けるのだ」と笑い、姿を消す。それは、サー・ガウェインにとって、呪いと厳しい試練の始まりだった。
１年後、サー・ガウェインは約束を果たすべく、未知なる世界へと旅立ってゆく。気が触れた盗賊、彷徨う巨人、言葉を話すキツネ・・・生きている者、死んでいる者、そして人間ですらない者たちが次々に現れ、彼を緑の騎士のもとへと導いてゆく