c 映画『エリザベート1878』公式サイト
Awards
Review
刺激的な激しさ
     The Guardian
最高だ
     Variety
ヴィッキー・クリープスが光り輝いている
     IndieWire
1人の不遇な女性の姿をとらえた圧倒的な肖像
     The Hollywood Reporter
大胆
     Time Out
素晴らしい
     Screen International
悩み多き女性たちに捧げられた1本
     The Playlist
身震いする1本
     Vanity Fair
エリザベートの人間的な面白さは、
クロイツァーとクリープスの手腕で
十分すぎるほど達成されている
     New York Times
菓子箱を破って、
その中核にある毒を明らかにするような作品
     The Washington Post
ヴィッキー・クリープスの
パフォーマンスの最高点
     Rolling Stone
Introduction
ハプスブルク家最後の伝説的皇妃エリザベート。自由を渇望した彼女の知られざる心の軌跡
ハプスブルク帝国が最後の輝きを放っていた19世紀末、「シシィ」の愛称で親しまれ、ヨーロッパ宮廷一の美貌と謳われたオーストリア皇妃エリザベート。1877年のクリスマス・イヴに40歳の誕生日を迎えた彼女は、コルセットをきつく締め、世間のイメージを維持するために奮闘するも、厳格で形式的な公務にますます窮屈さを覚えていく。人生に対する情熱や知識への渇望、若き日々のような刺激を求めて、イングランドやバイエルンを旅し、かつての恋人や古い友人を訪ねる中、誇張された自身のイメージに反抗し、プライドを取り戻すために思いついたある計画とは——。
日本でも宝塚歌劇団、東宝ミュージカルの大人気演目の主人公として広く親しまれているエリザベートの40歳になった1年間に光を当てた本作は、史実に捉われない大胆かつ斬新な美術と音楽、自由奔放な演出で、そんな伝説的皇妃のイメージを大きく覆し、「若さ」「美しさ」という基準によってのみ存在価値を測られてきた彼女の素顔を浮き彫りにする 意欲作である。
第75回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門 最優秀演技賞受賞。世界が絶賛!ヴィッキー・クリープスが演じる唯一無二のエリザベートの肖像
監督・脚本はオーストリア映画界を代表する気鋭、マリー・クロイツァー。エリザベートに扮するヴィッキー・クリープスは、『ファントム・スレッド』や『彼女のいない部屋』など、欧米を股にかけて活躍する実力派。クリープスが本作のアイディアの発端になったというだけに、その圧巻のパフォーマンスで、2022年、第75回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門で最優秀演技賞に輝いた。さらに、本作はロンドン映画祭でも最優秀作品賞を受賞、第95回アカデミー賞国際長編映画賞ショートリスト(オーストリア代表)にも選出され、クリステン・スチュワートやエドガー・ライト監督(『ベイビー・ドライバー』)、パティ・スミスほか、各界著名人からも賞賛の声が寄せられている。
老いに向き合い、皇妃を縛り付ける「コルセット(仏語:Corsage)」や皇室の厳格な伝統、そして世間の理想像から自由になることを心に決めた時、彼女は何を選び取るのか。あまり語られることのなかった後年のエリザベートを描く本作を通して、なぜエリザベートが現代に生きる私たちの心をとらえて離さないのか、その理由が見えてくる     
皇妃エリザベート
(シシィ、リジィ)
1837-1898
 バイエルン王国、ミュンヘンで、ヴィッテルスバッハ家傍系のバイエルン公マクシミリアンと王女ルドヴィカの次女として生まれる。16歳でオーストリア皇帝フランツ・ヨーゼフに見初められ結婚するも、自由奔放な性格は、ヨーロッパ随一の伝統と格式を誇るハプスブルク王朝のウィーン宮廷での生活と合わず、次第にウィーンを離れて流浪の旅を繰り返すようになる。ハンガリー好きとしても知られ、1867年からはハンガリー王妃を兼任。1898年、スイスで無政府主義者によって暗殺された。享年60。
Story
ヨーロッパ宮廷一の美貌と謳われたオーストリア皇妃エリザベート。1877年のクリスマス・イヴに40歳の誕生日を迎えた彼女は、コルセットをきつく締め、世間のイメージを維持するために奮闘するも、厳格で形式的な公務にますます窮屈さを覚えていく。人生に対する情熱や知識への渇望、若き日々のような刺激を求めて、イングランドやバイエルンを旅し、かつての恋人や古い友人を訪ねる中、誇張された自身のイメージに反抗し、プライドを取り戻すために思いついたある計画とは——。
Cast
ヴィッキー・クリープス
Vicky Krieps
エリザベート
1983年10月4日、ルクセンブルク生まれ。ルクセンブルク国立音楽学校で学んだ後、南アフリカの小学校で社会活動に参加。その後チューリッヒ芸術大学で舞台芸術を学ぶ。アカデミー賞作品賞を受賞したポール・トーマス・アンダーソン監督の『ファントム・スレッド』(17)でダニエル・デイ=ルイスと共演し、国際的な注目を集める。その他の主な作品に『オールド』(21/M・ナイト・シャマラン監督)、『ベルイマン島にて』(21 /ミア・ハンセン=ラヴ監督)、『彼女のいない部屋』(21/マチュー・アマルリック監督)など。本作『エリザベート 1878』の演技で、2022年カンヌ国際映画祭「ある視点」部門の最優秀演技賞、第35回 ヨーロッパ映画賞の女優賞、第58回 シカゴ国際映画祭でシルバー・ヒューゴ賞(最優秀演技賞)に輝いた。最新の主演作『Ingeborg Bachmann - Reise in die Wüste(原題)』(マルガレーテ・フォン・トロッタ監督)他、出演作が多く控えている。
フロリアン・タイヒトマイスター
Florian Teichtmeister
フランツ・ヨーゼフ
1979年11月4日、オーストリア、ウィーン生まれ。ウィーン国立音楽大学の名門演劇コースで演技を学ぶ。2002年に、イゴール・バウアージーマ作・演出『ノルウェイ.トゥディ』で活躍し、2005年にはピーター・シェーファーの戯曲『アマデウス』でモーツァルトを演じた。主な出演映画に『サラエボ』(14)、『アンネの日記』(16/ハンス・シュタインビッヒラー監督)、『モニタリング』(17/ルート・マダー監督)、『実在した犯罪小説』(18/サシャ・ビッグラー監督)など。
カタリーナ・ローレンツ
Katharina Lorenz
マリー・フェシュテティチ
1978年12月19日、ドイツ、レーヴァークーゼン生まれ。ミュンヘンのオットー・ファルケンベルク演劇学校で学んだ後、舞台での活動に加え多くのTVや映画に出演。主な映画出演作に『紅い部屋』(10/ルドルフ・トーメ監督)、『陽だまりハウスでマラソンを』(13/キリアン・リートホーフ監督)、『モニタリング』(17)、『ブレイム・ゲーム』(19/フィリップ・ライネマン監督)など。
ジャンヌ・ヴェルナー
Jeanne Werner
イーダ・フェレンツィ
1985年8月30日、ルクセンブルク生まれ。チューリッヒ芸術大学で演技を学ぶ。エマ・ワトソン、ダニエル・ブリュール主演の『コロニア』(15/フロリアン・ガレンベルガー監督)ではヴィッキー・クリープスとも共演。その他の出演作に『殺意は薔薇の香り』(13/フィリップ・クローデル監督)、『インビシブル・シングス 未知なる能力』(18/マルクス・ディートリッヒ監督)など。
マヌエル・ルバイ
Manuel Rubey
ルートヴィヒ 2 世/バイエルン王
1979年3月26日、オーストリア、ウィーン生まれ。歌手、俳優、プロデューサー。オーストリアの伝説的ミュージシャン、ファルコの伝記映画『ROCK ME AMADEUS~ファルコ 運命に翻弄されたスーパースター』(08/トーマス・ローツ監督)で主演を演じ、オーストリアのウンディーネ賞最優秀若手助演男優賞にノミネートされる。主な出演作にカタリーナ・モリーナ監督の『滝の殺人事件』 (16)、『怒りの炎』(21)、『ルイ・ヴァン・ベートーベン』(20/ニキ・シュタイン監督)など。
フィネガン・オールドフィールド
Finnegan Oldfield
ルイ・ル・プランス
1991年1月10日、イングランド、イーストサセックス、ルイス生まれ。ジョン・C・ライリーらと共演した『Les Cowboys(原題)』(15/トーマス・ビデガン監督)、主演を務めた『マーヴィン、あるいは素晴らしい教育』(17/アンヌ・フォンテーヌ監督)で2度にわたりセザール賞有望若手新人賞にノミネート。その他の出演作に『青い欲動』(15/エヴァ・ユッソン監督)、『GAGARINE/ガガーリン』(20/ファニー・リアタール、ジェレミー・トルイユ監督)、『キャメラを止めるな!』(22/ミシェル・アザナヴィシウス監督)など。
アーロン・フリース
Aaron Friesz
ルドルフ
1988年、オーストリア、ウィーン生まれ。ヨーナス・ハッサン・ケミーリの舞台『Invasion!』に出演し、一躍脚光を浴びる。以降は舞台での活動と並行し、多数のTVシリーズや映画でバイプレイヤーを務める。主な出演作にTVシリーズ『最後の騎士マクシミリアン 権力と愛の物語』(17)、Netflixシリーズ『フロイト -若き天才と殺人鬼-』(20)など。
コリン・モーガン
Colin Morgan
ベイ・ミドルトン
1986年1月1日、北アイルランド、アーマー生まれ。主な映画出演作に、『レジェンド 狂気の美学』(15/ブライアン・ヘルゲランド監督)、『スノーホワイト/氷の王国』(16/セドリック・ニコラス=トロイヤン監督)、『ベルファスト』(21/ケネス・ブラナー監督)など数々の話題作に出演。
Staff
脚本・監督
マリー・クロイツァー
Marie Kreutzer
1977年、オーストリア、グラーツ生まれ。オーストリアで最も重要な映画作家の一人。 初の長編映画『The Fatherless(英題)』(11)は、2011年のベルリン国際映画祭パノラマ部門をはじめ、トーマス・プルッフ脚本賞、オーストリア映画賞にノミネートされ、数多くの映画祭で上映、受賞している。ヴァレリー・パフナー、マヴィー・ホールビガーが出演したフェミニズム心理ドラマの『The Ground Beneath My Feet』(英題)は、2019年ベルリン国際映画祭のコンペティション部門に出品されるなど、世界中から高い評価を得た。監督業に加え、ウィーン映画アカデミーの講師、脚本家、劇作家としても活躍。2007年からはオーストリア脚本家協会・脚本家フォーラムの理事を、2017年からはオーストリア映画協会の監督委員を務めている。
撮影監督
ジュディス・カウフマン
Judith Kaufman
1962年、ドイツ生まれ。主な作品に『4分間のピアニスト』(06/クリス・クラウス監督)、『ヒトラー暗殺、13分の誤算』(15/オリヴァー・ヒルシュビーゲル監督)、『誰でもない女』(12/ゲオルク・マース監督)、『クロッシング・ウォー 決断の瞬間』(14/フェオ・アラダグ監督)など。ドイツ映画撮影監督協会と映画芸術科学アカデミーの会員。本作で、2023年ディアゴナーレ・オーストリア映画祭で撮影賞を受賞。
音楽
カミーユ
Camille
1978年、フランス、パリ生まれ。歌手。女優。2002年に発表したデビューアルバム『パリジェンヌと猫とハンドバッグ(Le Sac Des Filles)』で大きな話題を呼ぶ。2007年の『レミーのおいしいレストラン』(ブラッド・バード監督)では、主題歌「Le Festin」に起用され、同作ではフランス語版吹き替えでヒロイン役も務める。俳優としても多数の作品に出演しており、『ミス・ブルターニュの恋』(13/エマニュエル・ベルコ監督)ではカトリーヌ・ドヌーヴと共演した。
プロダクション・デザイン
マーティン・ライター
Martin Reiter
『Angelo(原題)』(18/マルクス・シュラインツァー監督)、『Hinterland(原題)』(21/シュテファン・ルツォヴィツキー監督)で2度にわたるオーストリア映画賞最優秀プロダクション・デザイン賞を受賞。また、本作『エリザベート 1878』ではディアゴナーレ・オーストリア映画祭でプロダクション・デザイン賞を受賞。
衣装
モニカ・バッティンガー
Monika Buttinger
『Gruber Is Leaving』以来、マリー・クロイツァー監督作品の衣装デザインを手掛ける。その他の作品に『オスカーとリリ』(20/アラシュ・T・リアヒ監督)、『人生はあるがままに』など。本作『エリザベート 1878』で2023年のオーストリア映画賞やノースダコタ映画批評家協会賞、第35回シカゴ映画批評家協会賞で衣装デザイン賞にノミネートされた。