カネと権力とエロと、タガを外して突き進むベルルスコーニ。
文明国家の歴史を辿り集約したかのようなこの現代の神話は、我が国の反面教師となるや否や?!
この男は自分をいじめるイタリアが嫌いだと言った。
でも、イタリアはこの男を視野から排除することはなく、こうして映画の主題にもなった。
自らの社会をここまで俯瞰できるイタリアという国の熟成と寛容を、この作品からじっくりと感じてもらいたい。
禁欲、性欲、出世欲、ありとあらゆる煩悩が
ファッショナブル欲も加わり諸行無常の鐘の音。
本当に必要なモノは何なのか?
増税前のような問い掛けが観る者を試す映画である。
「俺はリベラルだ、独占は排斥だ」。
こんなに一つ一つのセリフを考え観たのは久しぶりだ。痺れた。狂気の深淵に表現の華が開く。覗いて欲しい。
かつてのイタリアに君臨した、あらゆる意味での怪物。
ベルルスコーニの底知れぬ魔力を見せつけられたが、
その怪物は“祖父と同じ口臭のする人”だった!
年の「ベルルスコーニ・ウォッチャー」として待ちに待った最高の作品です!
ベルルスコーニは憎めないトランプ大統領!
愛されたいベルルスコーニを不思議と応援したくなる。本当に「欲」出来てる!
いつもぶっ飛んだソレンティーノ監督は今回もブラボー。
政治と金と欲望が渦巻く底知れない世界を絶妙に描写した名作。
彼の人生が華麗なのか、哀れなのかは、あなたに判断して欲しい。
金欲、性欲、権力欲の怪物ポピュリストのヘラヘラ笑いに各国首脳の顔が重なる。
本作は21世紀の逆説的「君主論」たり得る。
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