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死の天使 ヨーゼフ・メンゲレ

上映中
2026年2月27日公開

原題:Das Verschwinden des Josef Mengele
英題:The Disappearance of Josef Mengele

2025年/フランス・ドイツ合作/ドイツ語・スペイン語・ポルトガル語/135分/モノクロ(一部カラー)/5.1ch

©2024 CG CINÉMA / HYPE STUDIOS / LUPA FILM / CG CINEMA INTERNATIONAL / BR / ARTE FRANCE CINEMA

彼はモンスターだったのか? それとも――
人間の<悪の本質>に迫る衝撃作

第二次世界大戦中、アウシュヴィッツ収容所で戦慄の実験を行い、<死の天使>と呼ばれたナチスの医師ヨーゼフ・メンゲレは終戦後、イスラエル諜報機関モサドの追跡を逃れ南米での潜伏生活を続けていた。その知られざる日々と心の深淵を描き、昨年のカンヌ映画祭で絶賛された作品が『死の天使 ヨーゼフ・メンゲレ』だ。 
職場でのヨーゼフ・メンゲレはかっちりと制服を着こみ、常に微笑みを絶やさず、傍目には物腰の柔らかな人物に見えた。しかし一方で、この男は後年<ナチスが生み出した最大の悪>と形容される、恐るべき所業を行っていた。人類学者でもあったメンゲレは優生学に取り憑かれ、子供――特に双子たちに想像を絶する実験を重ね、ユダヤ人やナチスによって「非社会的」分子とみなされた人々を選別し、不要とみなした人間を次々にガス室へ送り込んだ。終戦後、メンゲレはヨーロッパと南米を結ぶ極秘ルート、通称“ラットライン”を使って逃亡。アルゼンチン、パラグアイ、ブラジルと国を渡り歩き、複数の偽名を使いながら30年間にわたり己の罪から逃れ続けた。
本作は20世紀の最も衝撃的な実話のひとつを、メンゲレの潜伏生活に焦点をあて、息子との対話、モサドによる追跡を交錯させながら、アウシュヴィッツ収容所での〈過去〉はカラーで、〈現在〉はモノクロ映像で描くという、大胆かつ唯一無二の手法でスクリーンに蘇らせる。
フランスで最も権威ある文学賞の一つであるルノードー賞を受賞したオリヴィエ・ゲーズの世界的ベストセラー小説「ヨーゼフ・メンゲレの逃亡」(東京創元社・創元ライブラリ刊)を、『LETO -レト-』『チャイコフスキーの妻』『リモノフ』などを手掛け、現代映画界で最も特異で卓越した映像作家の一人である鬼才キリル・セレブレン二コフ監督が完全映像化。
歴史的怪物の逃亡劇を描きながら、個人の悪がどのように社会の無関心や沈黙によって支えられてきたのかを冷徹に浮かび上がらせる。

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STORY

第二次世界大戦終結後、アウシュヴィッツ強制収容所で“死の天使”と恐れられたSS医師ヨーゼフ・メンゲレは、連合国による戦犯追及を逃れ、ヨーロッパから姿を消した。いくつもの偽名を使い分け、支援者の助けを得てイタリアへ渡ったメンゲレは、ナチ残党の地下ネットワークを通じて南米へと逃亡する。アルゼンチンのブエノスアイレスでは、ペロン政権下の混乱と黙認の空気の中、彼は比較的自由な生活を送り、同じ亡命者たちと交わりながら過去を否定し続ける。しかし、時代は移り変わる。
ナチ戦犯への国際的関心が高まるにつれ、彼の生活は次第に追い詰められていく。イスラエル諜報機関モサドによる捜索やアドルフ・アイヒマン逮捕・処刑の知らせが彼を怯えさせ、メンゲレはパラグアイ、さらにブラジルへと移動を重ねる。密林と辺境の地で彼は孤立を深め、身体の衰えと妄念に苛まれながらも、裁かれることなく歴史の影に潜み続ける――。

CREW&CAST

CREW
監督・脚本
キリル・セレブレンニコフ

1969年、ロシア生まれ。演出家、映画監督。モスクワ芸術座などで多くの舞台演出を手掛け、2012年には権威あるゴーゴリ・センターの芸術監督に任命される。政権に批判的な姿勢を示しており、2017年には詐欺罪の嫌疑がかけけられ(政治的弾圧とみられている)、2020年に有罪判決を受ける。2022年にロシアから亡命し、現在はドイツなどで活動中。『LETO -レト-』(18)では第71回カンヌ国際映画祭サウンドトラック賞最優秀作曲家賞を、『インフル病みのペトロフ家』(21)では第74回カンヌ国際映画祭フランス映画高等技術委員会賞を受賞。『チャイコフスキーの妻』(22)は第75回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に、『リモノフ』(24)は第75回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に選出された。

原作・脚本
オリヴィエ・ゲーズ

1974年、フランス生まれ。作家・ジャーナリスト。シアンスポおよびロンドン・スクール・オブ・エコノミクスで学び、国際政治や20世紀史を主題に執筆。2017年『ヨーゼフ・メンゲレの逃亡』(東京創元社・創元ライブラリ刊)でルノードー賞を受賞し、史実と文学を融合させた作風で国際的に評価されている。映画『アイヒマンを追え! ナチスがもっとも畏れた男』(16)では脚本を手掛けている。

撮影監督
ヴラディスラフ・オペリャンツ

1968年、ロシア生まれ。セレブレンニコフ監督作では『LETO -レト-』、『インフル病みのペトロフ家』、『チャイコフスキーの妻』の撮影監督を務めている。手掛けた主な作品に『ホステージ 戦慄のテロ計画』(17)、『ペルシャン・レッスン 戦場の教室』など。

プロダクションデザイナー
ヴラディスラフ・オガイ

1981年、ロシア生まれ。セレブレンニコフ監督と複数の作品でタッグを組んでおり、『インフル病みのペトロフ家』、『チャイコフスキーの妻』、『リモノフ』をはじめ、2025年にはセレブレンニコフ監督が舞台演出を手掛けたザルツブルグ音楽祭で美術を担当している。

編集
ハンスヨルグ・ヴァイスブリヒ

1967年、西ドイツ生まれ。『コロニア』(15)、『アイム・ユア・マン』(21)、『今まで以上に、君を愛す』(22)、『SHE SAID/シー・セッド その名を暴け』(22)、『セプテンバー5』(25)、『ナースコール』(25)ほか60以上の作品の編集を手掛けている。

衣装デザイナー
タチアナ・ドルマトフスカヤ

セレブレンニコフ監督作品において映画では『LETO -レト-』、『インフル病みのペトロフ家』、『リモノフ』、舞台ではゴーゴリ・センターでの「HANGMEN(原題)」をはじめ2019年以降の多数の作品で衣装を担当している。

作曲
イリヤ・デムトスキー

バレエ音楽の作曲でロシア国内の権威ある賞を多数受賞している作曲家・指揮者。2017年にはセレブレンニコフ監督が演出したボリショイ劇場での舞台「ヌレエフ」の作曲を担当し、ブノワ賞のバレエ最優秀作曲家作品賞をふくむ4部門を受賞した。

CAST
ヨーゼフ・メンゲレ
アウグスト・ディール

1976年、ベルリン生まれ。ベルリンのエンルスト・ブッシュ演劇大学で演技を学び、1999年に主演作『23 トゥエンティースリー』で俳優デビュー。同作でドイツ映画賞最優秀俳優賞を受賞し、一躍有名になる。その後、アカデミー外国語映画賞受賞作『ヒトラーの贋札』(07)、クエンティン・タランティーノ監督作『イングロリアス・バスターズ』(09)、テレンス・マリック監督作『名もなき生涯』(19)など、話題作に次々と出演。その他の主な出演作に『復讐者たち』(20)、『不思議の国のシドニ』 (23)、『ボンヘッファー ヒトラーを暗殺しようとした牧師』(24)など。

ロルフ・メンゲレ
マックス・ブレットシュナイダー

1989年、フランクフルト生まれ。舞台やテレビシリーズで活躍し、2024年にはNetflixのコメディ『全部ゲームのせい』に出演。

ゼーデルマイヤー
デヴィッド・ルランド

1979年、ドイツ生まれ。エンルスト・ブッシュ演劇大学で学び、同校で教壇にも立っている。舞台やテレビシリーズを中心に活躍し、2023年にはドイツ俳優協会のドイツ演技賞を2部門で受賞。

マルタ
フリーデリケ・ベヒト

1986年、ドイツ生まれ。ベルリン芸術大学で演技を学び、数々の舞台に出演。2008年に『愛を読む人』で劇場用映画デビュー。2022年にはテレビシリーズ「Faster than Fear(原題)」でドイツテレビ映画賞の最優 秀主演女優賞を受賞した。主な出演作に『ハンナ・アーレント』(12)、『顔のないヒトラーたち』(14)、『フォー・ハンズ』(17)など。

アロイス・メンゲレ
ミルコ・クライビッヒ

1983年、ドイツ生まれ。ベルリン国立バレエ学校やベルリン芸術パフォーマンス学校、エンルスト・ブッシュ演劇大学で学び、舞台を中心に活躍。実写とアニメーションを組み合わせた実験的スリラー映画『Goster(原題)』(16)で劇場用映画デビューし、2018年に『Am Ende ist man tot(原題)』(18)に出演。本作が映画出演3作目となる。

イレ―ネ
ダナ・ヘルフルト

1998年、ドイツ生まれ。エンルスト・ブッシュ演劇大学で学び、数々の舞台に出演。2020年に『Der Menschenfeind(原題)』で長編映画デビューし、2023年にはヴェネチア国際映画祭のコンペティションに出品された『Die Theorie von Allem』に出演。モデルとしても活躍している。

ミクロス・ニイスリ
カーロイ・ハイディク

1979年、ハンガリー生まれ。ブタペスト演劇映画大学で学び、150以上の舞台への出演歴を持つ。2011年にはハンガリーの舞台芸術における最高賞であるヤーサイ・マリ賞を受賞。主な出演作に『ハンガリー連続殺人鬼』(16)、『この世界に残されて』(19)、『ストーリー・オブ・マイ・ワイフ』(21)など。 彼が演じた人物ミクロス・ニイスリは、アウシュヴィッツ強制収容所でヨーゼフ・メンゲレの監督下、ユダヤ系囚人医師として解剖を行った経験を、著書『アウシュヴィッツ 医師の証言』で詳細に記録したことで知られている。

カール・メンゲレ
ブルクハルト・クラウスナー

1949年、ベルリン生まれ。ベルリン自由大学とマックス・ラインハルト演劇学校で学び、ドイツで大ヒットを記録したコメディ『悦楽晩餐会 または誰と寝るかという重要な問題』(97)で劇場用映画デビュー。主な出演作に『グッバイ、レーニン!』(03)、『白いリボン』(09)、『コッホ先生と僕らの革命』(11)、『ヒトラー暗殺、13分の誤算』(15)、『ブリッジ・オブ・スパイ』(15)、『アイヒマンを追え! ナチスがもっとも畏れた男』(15)、『僕たちは希望という名の列車に乗った』(18)など。

COMMENT

凄まじい人生を観た…。
人体実験を繰り返した犯罪者か?
戦争に人生を奪われた被害者か?
その狭間で揺れながら生きる姿に
胸の痛みが止まらない。
俺はどう生きたらいいんだ!?

赤ペン瀧川(映画プレゼンター)

原作のツボでもある「メンゲレの疑似インテリ感の深淵」を見事に表現しつくした映像センスには感嘆の他ない。
既存のナチ映画で未達の領域に踏み込んだ傑作!

マライ・メントライン(作家、エッセイスト)

通常のホロコースト物とは異なる視点で描くことで、メンゲレの逃亡生活が浮き彫りにされている。

アウシュヴィッツでの犠牲者は110万人うち双子研究や遺伝子、障害者研究の名の下の人体実験15000件以上。
メンゲレが死を選別した人間は40万人と言われている。

平山夢明(作家)

TRAILER

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