FLEE フリー
- 発売中
- 2023年01月13日DVD&Blu-ray
- 2022年6月10日公開
原題:Flugt
2021年/デンマーク、スウェーデン、ノルウェー、フランス合作/シネスコ/カラー/89分/5.1ch/G
©Final Cut for Real ApS, Sun Creature Studio, Vivement Lundi!, Mostfilm, Mer Film ARTE France, Copenhagen Film Fund, Ryot Films, Vice Studios, VPRO 2021 All rights reserved
ひとりの青年が20年の時を経て語る、祖国からの決死の脱出
幾多の困難を乗り越えた先に見出した<居場所>とは――心揺さぶる真実の物語
本年度アカデミー賞®にて、史上初となる国際長編映画賞、長編ドキュメンタリー賞、長編アニメーション賞の3部門同時ノミネートの快挙を成し遂げた、デンマークほか合作によるドキュメンタリー映画『FLEEフリー』。英題である“FLEE”とは危険や災害、追跡者などから(安全な場所へ)逃げるという意味である。
主人公のアミンをはじめ周辺の人々の安全を守るためにアニメーションで制作され、いまや世界中で大きなニュースになっているタリバンとアフガニスタンの恐ろしい現実や、祖国から逃れて生き延びるために奮闘する人々の過酷な日々、そして、ゲイであるのひとりの青年が、自分の未来を救うために過去のトラウマと向き合う物語を描く。
そんな本作は多くの観客に深い感動と衝撃を与え、昨年のサンダンス映画祭でワールド・シネマ・ドキュメンタリー部門の最高賞であるグランプリを獲得。またアヌシー国際アニメーション映画祭でも最高賞となるクリスタル賞ほか3部門を受賞。ドキュメンタリー、アニメーションという表現の垣根を越えてジャンル横断的に高い評価を受け、4月12日現在、各国の映画祭で82受賞136部門ノミネートという圧倒的な評価を獲得している。
また『FLEE フリー』の評価は映画祭にとどまらない。『サウンド・オブ・メタル ~聞こえるということ~』でムスリムとして初めてオスカー主演男優賞の候補となったリズ・アーメッドと、ドラマシリーズ「ゲーム・オブ・スローンズ」のニコライ・コスター =ワルドーの2人はアミンの物語に心を打たれ、国境を越えてエグゼクティブプロデューサーとして本作をサポート。『パラサイト 半地下の家族』のアカデミー賞監督ポン・ジュノは2021年のベスト映画の1本として選出。さらに、『シェイプ・オブ・ウォーター』のギレルモ・デル・トロ監督は、オスカーのアニメーション部門にドキュメンタリー映画である本作がノミネートされると、喜びの言葉を自らのTwitterに投稿したほか、本作を応援する投稿を積極的に発信。
本作が伝えるアミンの物語は非常に個人的なものでありながらも、紛争、難民、人種差別、LGBTQ+など現代社会を覆う数々のテーマが内包されており、彼の声は、今を生きる我々の心に深く語り掛けてくる。自身も迫害から逃れるためにロシアを離れたユダヤ系移民の家系であるヨナス・ポヘール・ラスムセン監督は、インタビューでこう語っている。「この物語は、過去やセクシュアリティも含め、 自分が誰なのか。 それを知ることのできる場所を見つける、一人の人間の物語なのです」






















COMMENT
柔らかなタッチのアニメーションは監督が主人公・アミンに対して抱く親しみを着実に観客と共有する、その最良の方法となっている。
その人の生い立ちからセクシュアリティまでを知るうちに、理不尽への怒りと未来への祈りがないまぜになった感情を抱かずにはおれない。
「今まさに見るべき映画」であることは間違いないが、それ以上に「他者を知ること」についての普遍的な作品でもある。
濱口竜介(映画監督/『ドライブ・マイ・カー』)
故郷から切り離された人々の苦難は、雨風しのげる場所を見つければ終わるわけではない。
その途方もなく長い道のりを照らすのが、この映画の力だ。
安田菜津紀(認定NPO法人Dialogue for People副代表/フォトジャーナリスト)
故郷を奪われたものたちはどう生きていけばいいのか?何処に向かえばいいのか?
アニメとも実写ともドキュメンタリーとも違う難民たちの魂の記憶。
本作は我々の胸を深く抉り、終わりのない“旅路”を共有する。
今だからこそ観るべき、いつまでも胸に刻むべき映画。
小島秀夫(ゲームクリエイター)
本作が示している現実は、人が構築してきた社会システムが宗教もふくめて、想像以上に人に過酷であるという事実をむき出しにしている。
ここまで酷いのかという現実は、アニメ主導の構成でなければ公開できなかっただろう。
その意味で見るべき作品ではあり、知るべき現実である。
その意味でいえば、日本と言う国は楽園であると教えられる。
富野由悠季(アニメーション監督)
余りに過酷な歩みの先、彼が辿り着いた「場所」の温もりに涙が溢れた。
私もその「場所」の一部でありたい。
小川彩佳(「news23」メインキャスター)
今日も暗闇の中で過ごしている人たちがいる。
思うことしかできない後ろめたさを抱えながらも、思うことをやめたくない。
武田砂鉄(ライター)
「難民」という二文字の背景に、数えきれない人のかけがえのない時間があることに心が揺さぶられた。
遠藤まめた(LGBTユースの居場所にじーず代表)
世界中の「アミン」や「アミナ」たちが悲鳴も上げられずに隠れている。
悲鳴を上げたら殺される。「逃げる」ことができるのは、それだけでも幸運な者たちなのだという、とんでもない不幸がこの世界にいまも現存している。
北丸雄二(ジャーナリスト・作家)
故郷とアイデンティティを失ったアミンが自分を取り戻していく旅路。
生きることの意味を私たちに問いかける。
根本かおる(国連広報センター所長)
なんという境遇、なんという人生、なんという映像。
この映画がさらにタイムリーになってしまった現実で、それでも人々の安全を願うために。
荻上チキ(評論家・ラジオパーソナリティ)
語ること。それはきっと、ここにいる自分を救う。
語り継ぐこと。それはきっと、どこかの誰かを救う。
語り合うこと。それはきっと、わたしとあなたをもう一度出逢い直させる。
児玉美月(映画文筆家)
誰も好き好んで難民になる人はいません。
想像を絶するほど悲惨なその体験は淡々と語られるからこそずしっと刺さります。
日本でも、「避難民」と言い換えずにもう少し受け入れることができないものでしょうか。
ピーター・バラカン(ブロードキャスター)
そこがアフガンであれロシアであれデンマークであれ、この映画では抑圧は常に国家暴力と関わり、同性への思慕は希望として機能する。
清水晶子(東京大学 教員)
なぜ僕はここにいるのか?
それは当たり前ではなく、幾つも可能性の瞬間の積み重ねだとアミンが教えてくれる。
ダースレイダー(ラッパー)
「ずっといていい」故郷のある私にも、この映画について言えることがあるとすれば、アニメーションでも、だからこそ、恐ろしいほど伝わる重み、辛さを、どう抱えるか今悩んでいる。
イシズカユウ(女優、モデル)
アミンを追い詰めたのは母国の危険だけではない。
彼の孤独の意味を、彼がずっと語り出せなかった理由を、私たちは知る必要がある。
望月優大(ライター)
国と家族の庇護を失った孤独に加え、クィアでもある主人公の声は、真摯で愛があり、忘れがたい。
山村浩二(アニメーション作家・絵本作家)
誰かを想って苦しみ、誰かを想って救われる。愛の気高さを教えてくれる映画でした。
太田尚樹(LGBTエンタメサイト「やる気あり美」編集長)
故郷を失う/奪われるということが、その人に何をもたらすかを、アミンは静かに語り出す。
アニメーションでしか描けない現実を見せてくれる、唯一無二の映画。
ふくだももこ(映画監督/『おいしい家族』)
「自分とは何者か—その真実を他者と分かち合う勇気と恐怖、希望を捉えた瞬間に涙が溢れる。
愛は知に宿ることを裏付けていたから。」
とんこつたろう(ラジオパーソナリティ)